歯や歯と歯茎に間に多く歯石がこびりついている方の中には、自分自身で歯石を取り除こうと試みた方もいるのではないでしょうか?
しかし、こちらはデメリットが多く、決しておすすめできません。
今回は、歯石取りを自分で行うことの意外なデメリットについて解説します。
菌血症のリスク
歯石は単なる石ではなく、億単位の細菌が潜む塊です。 セルフでガリガリ削るとほぼ確実に歯茎が傷つき出血しますが、その傷口から大量の細菌がダイレクトに血液内へ侵入する菌血症を引き起こします。
歯科クリニックでは術前の殺菌や無菌的な操作が行われますが、自宅では不可能です。
血管に入り込んだ細菌はわずか数分で全身を巡り、心臓の弁に付着して感染性心内膜炎を起こしたり、血管壁に炎症を起こして全身疾患のリスクを跳ね上げたりします。
また、糖尿病の持病がある場合は血糖値のコントロールを著しく悪化させる原因にもなります。
口内の掃除のつもりが、実は全身の血管に毒素をばら撒く危険な行為につながっているという、もっとも恐ろしい盲点です。
顎関節症の誘発
鏡を見ながら慣れない手つきで歯石を取ろうとすると、どうしても無理な姿勢が長時間続きます。 特に奥歯や歯の裏側を覗き込もうとして、口を限界まで大きく開け続けたり、顎を不自然に左右にずらしたりしながら、手元に強い力を込めることになります。
このとき、顎の関節や周囲の筋肉には、日常生活ではあり得ないレベルの異常な負荷がかかっています。
これが引き金となり、顎を動かすとパキパキと音が鳴る、口が大きく開かなくなる、顎に激痛が走るといった顎関節症を発症するケースが少なくありません。
一度顎の関節を痛めてしまうと、食事や会話といった日常の基本動作にまで深刻な支障をきたすようになり、治療にも長い時間がかかるという意外な副産物です。
味覚障害のリスク
舌の表面や、歯茎の近くを通る神経の周辺には、味を感じるための繊細な細胞や神経が張り巡らされています。 セルフ歯石取りで手元が狂い、スケーラーの鋭利な先端が舌の側面や裏側、あるいは上あごの粘膜を深く傷つけてしまうと、これらの組織を破壊してしまうリスクがあります。
また、傷口から入った細菌によって口内全体に慢性的な口内炎や微細な炎症が広がると、舌の表面が荒れて味が正常に認識できなくなる味覚障害を引き起こすことがあります。
食事が美味しく感じられなくなると、日々の生活の質が著しく低下します。
キレイにするための行為が食べる喜びを奪う結果につながるというのは、一般にはまったく想定されていない盲点と言えます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯石取りを自分で行うと、傷口から大量の細菌がダイレクトに血液内へ侵入する菌血症を引き起こす
・鏡を見ながら慣れない手つきで歯石を取ろうとすると、顎関節症のリスクが高まる
・セルフ歯石取りで手元が狂い、舌や上あごの粘膜を傷つけると、味覚障害のリスクが高まる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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